2019年度の対応件数は、193,780件

全国の児童相談所が2019年度に児童虐待として対応した全体の件数が19万3780件(速報値、前年度比21.2%増)となり、1990年度の統計開始以来29年連続で最多を更新した。前年度からの増加数も3万3942件で過去最多とのことです。

心理的虐待が最も多く、109,118件(56.3%)で警察から通告のあった面前DV(ドメスティックバイオレンス)が多くを占めています。身体的虐待は、49,240件(25.4%)、ネグレクトが33,345件(17.2%)、性的虐待が2,077件(1.1%)となってなっています。
新型コロナウィルスの感染拡大後の虐待対応件数の速報値も発表され、前年比で1~4月、7~21%の増加、5月は2%減、6月は10%増、7月は6%減ですが、厚労省は「外出自粛等との関連は不明」とのことです。
朝日新聞(11月19日)によると児童相談所(児相)の業務はパンク寸前だが、現場からは「なり手不足で思うように人員を増やせない」、「希望者はほとんどいない。泊まり勤務や急な呼び出しがあり、保護者からは非難を浴びる。ミスが子どもの命につながる重圧もある。別の仕事を選びたくなる気持ちも理解できる」、「職員は多忙さゆえに、個別の虐待事案を深く考察する余裕がなく、業務のやりがいを見つけられずに異動する人たちもいる」、「新任職員の研修も多人数で実施しにくい。職員が家庭を訪問する際にも嫌がられるなど、現場にも影響がでている」という児童相談所長や子どもの虹情報研修センター所長の談話を掲載していました。

令和元年度児童虐待対応件数(速報値) ←ダウンロード(PDF)できます。
児童虐待対応件数の動向(令和2年1月~7月)速報値 ←ダウンロード(PDF)できます。