田中佳代子(たなかかよこ)さんを紹介します。CAPTAの設立当時に入会され、現在は、理事として活動していらっしゃいます。社会福祉法人鳥取こども学園のさまざまな子どもの施設で仕事をされ、現在は、社会福祉法人の業務執行理事として多忙な日々をすごしていらっしゃいます。

1 現在のお仕事を教えてください。
社会福祉法人鳥取こども学園が運営している児童養護施設「鳥取こども学園」の園長をしています。鳥取こども学園は、1906年1月13日に私立「鳥取孤児院」として設立されて以来、115年間一日も休まずに子どもの幸せを願って活動を続けています。
2 CAPTAでの役割と活動を教えてください。
CAPTAでは理事をしています。今年度は活動の軸を4つのグループに分かれ活動をしていますが、その中で山中運営委員と一緒の県内各市町村役場の子どもの虐待防止と子育て支援の取り組みをアンケート照会させて頂き、まとめているところです。調査とかそれをまとめるというのがとても難しいことだと実感しているところですが、各市町村役場の担当者の皆さんが懸命にとりくんでいらっしゃる姿が反映できるようなアンケート報告書を作成中です。できるだけ早く、発表したいとは思っているのですが・・・。
3 CAPTA入会のきっかけは?
CAPTAは2000年の児童虐待防止法ができた年に、民間で子どもの虐待防止について意識を高めていくための民間活動として発足しました。その時は、子どの施設で働いていて、虐待を受けた子どもたちと生活を一緒にしていましたので「CAPTAで私にも何か手伝えることはないかなぁ」という思いで入会しました。設立当時は、現在ほど子どもの虐待に社会の目が向いていない時代だったのですが一般の方も多く入会され、活発に活動が行われていましたが、子どもの虐待が深刻な社会問題となって、行政関係の対応も徐々に整備されて、会員も年々減ってきています。子どもの虐待は、政治や制度だけに任せて解決できることではありません。市民運動、民間活動としてCAPTAの役割は、まだまだあると信じています。趣旨に賛同してくださる人が気軽に入ることができ、一緒に虐待防止につながる活動をしたいと思っています。
4 CAPTAの活動に参加してどうですか?
私が理事でいいのかなと思ってしまうこともあります。それでもCAPTAの活動に参加する中でいろいろな情報をいただいて、子どもの虐待防止の強い思いの方と触れ合って自分自身は学ばさせてもらっています。子どもの施設の園長という立場でも、CAPTAのお陰でたくさんの方々の意見やアイディアを受け止めることはとても意義のあることだと感じています。CAPTAに入っていなかったら、子どもの虐待防止の専門家の皆さんと関わることがなかったと思います。随分と前のことですが、鳥取県で子どもの人権条例を作ろうと何回も集まったことがあります(結局、条例制定にはならなかったのですが)。いろいろな立場の皆さんの熱い議論の中に入らせて、もらえたことは、とても良い刺激を受けることができました。当時、CAPTAが先導して、開催された検討会ですが、鳥取県弁護士会(子どもの権利委員会)が中心で進めていました。もともとCAPATの立ち上げの時は、病院の先生や弁護士なども沢山おられ、そのときのつながりが今もつながっており、弁護士に気軽に頼める関係がCAPTAのいいところでもあると感じます。
5 これからやってみたい活動はありますか?
養育支援訪問事業の支援員さんをやってみたいです。立ち上げたときのように会員が参加できる活動をどうやったらいいのかと思います。以前は民生児童委員さんも入ってもらって月に1回ケース検討をやっていました。今は、せっかく会員になってもらっているのに、活動の機会が少なく、会費を払っていただいているだけの方もあり申し訳ないですね。子どもの虐待防止の意識を多くの人が持ち、地域を意識して見られるようにしていきたいです。専門家チームは、学びの機会となっていいと思いますが、立ち上げの時みたいに専門と一般の2本立てでやっていけれたら良いと思いますが、どうやったら気軽に入っていただけるしくみが作れるのだろうかと思うところもあります。CAPTAを退会した方の中には「CAPTAが専門家の集団みたいになって、気軽に入っていけない感じが・・・。」とおっしゃる方もいました。専門家とか児童福祉の関係者以外の多くの市民の皆さんが参加できる活動を大切にしていきたいと思っています。
インタビュアー:専門家による活動ではなく「認知症サポーター」のような地域見守り隊としての取り組みですかね。
「私もCAPTAで(子どもの虐待防止の活動を)やってます!」と多くの人が言える流れができるといいなと思います。“子どもの虐待”となるとテレビや新聞が報道する悲惨で怖いイメージが先行してしまうので「子ども見守り隊」のような感じで活動できる分野を開拓したいです。
6 ストレスがたまったときの発散方法は何ですか?
家に帰ったらダラダラしています(笑)。専門書でも読めば良いのですが、お家にいるとなかなか読めませんね。時間がある時はお菓子(チーズケーキ、ホットケーキ)を作ったりしています。今年のお正月もお休みをいただきましたがコロナ禍と大雪で久しぶりに編み物をしてベストを1着編みました。もともと服を作る(洋裁)のも好きなので、(今はなかなか作れてませんが)時々手作りの服を着てますよ。余裕がある時はそんなこともできたらと思っています。つい最近まで韓国ドラマにはまってました(笑) 集中してしまって家族の声も入らずでした。でも、そうやって集中することで気分転換しているのだと思いました。
7 最後に、まだCAPTAをご存じない方々に伝えたいことはありますか?
是非、CAPTAの存在を知ってほしいです。子どもの虐待防止や子育て支援の活動や思いを持っている団体がいますよということを知ってもらいたいですね。
田中佳代子さんがいらっしゃる社会福祉法人鳥取こども学園のホームページは、ここをクリック
田中佳代子さんは、鳥取県児童入所施設協議会会長、鳥取県社会福祉審議会児童福祉・母子福祉分科会委員、鳥取県の里親登録もしていらっしゃいます。