2021/04/17 未分類 

鳥取県人権意識調査が発表されました。

人権意識調査とは

 鳥取県では、県民の人権に関する意識の現在の状況や過去の調査との変化などを調べ、鳥取県人権施策基本方針や人権啓発活動などに活用することを目的として、定期的に「人権意識調査」を行っています。このたび、最新の調査(令和2年5月時点)の集計結果が発表されました。(この調査は、今回が5回目の実施です。(前回平成26年度))。

CAPTAは、鳥取県人権尊重の社会づくり協議会に子どもの権利擁護の視点での意見を伝える協議員として参加しています。これまでは、西井啓二常務理事がCAPTAを代表する協議員でしたが、令和3年4月からは、米田怜美会員にバトンタッチしました。米田怜美さんが調査結果から、子どもの権利擁護に関連する部分を抜き出して、意見と共に皆様にお届けします。

1 人権意識調査の概要

有効回答数 1,414名、  回収率 47.4% 

回答者の性別は、男性が40.3%、女性が55.7%、答えたくないが0.9%です。
年齢別では、16~19歳が4.0%、20歳代が7.1%、30歳代が10.4%、40歳代が13.3%、50歳代が15.4%、60歳代が21.9%、70歳代が16.6%、80歳以上の年代は7.4%となっています。

2 子どもを怒鳴ること、叩くこと

 問1-(7)「保護者が子どものしつけのために、叩いたり怒鳴ったりすることは、ある程度は仕方がない」との、体罰や怒鳴ることを肯定する「そう思う」「どちらかといえばそう思う」との答の割合は49.2%でした。

 一方、体罰や怒鳴ることを否定する「そう思わない」「どちらかと言えばそう思わない」と答えた者の割合は45.4%となっています。

 同じ質問を性別で見ると、肯定派の「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答の割合は男性(56.1%)、女性(44.9%)で男性の方が高くなっています。職業別で興味深いのは、否定派の「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」との回答の割合は学校の教職員で63.1%と高くなっています。

3 子どもの問題の責任のこと

問1-(8)「子どもの問題を家庭だけの責任にするのではなく、公的な支援も必要だ」には、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた肯定派の割合は83.2%でした。否定派の「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」と答えた者の割合は11.1%でした。

4 性的マイノリティのこと

問1-(14)「性的マイノリティが社会的話題になっているが、自分の周りにはいないと思う」は、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた者の割合が35.4%、「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」と答の割合34.8%となっています。

 回答の性別では、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた割合は男性(41.4%)、女性(31.4%)で、男性の方が高くなっています。年齢別では「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた割合は70歳代(45.9%)及び80歳代(46.2%)で、「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」の答えの割合は10歳代(49.1%)及び40歳代(50.5%)で、それぞれ高くなっています。職業別では、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた割合は農林漁業者(50.5%)や主として家事に従事(46.5%)で、「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」の答えが割合は公務員(67.3%)や学校の教職員(60.9%)で、それぞれ高くなっています。

5 人権侵害を行ったこと

 問3 「 過去5年間の日常生活の中で、あなた自身が他人に対して差別や人権侵害を行ったことがありますか。(1つに〇)」では、「他人に対して差別や人権侵害を行ったことがあるか」には、「ある」「あるかもしれない」と答えた者の割合は22.7%でした。「ない」「ないと思う」と答えた者の割合は68.6%となっています。職業別で見ると、「ある」「あるかもしれない」と答えた割合は公務員(46.9%)で、「ない」「ないと思う」と答えた者の割合は無職(80.2%)で、それぞれ高くなっています。

6 子どものいじめ、体罰、虐待のこと

 問20-(2)「子どものいじめ、体罰、虐待などに気づいたとき、関係機関に通報することができる」では、「できる」「どちらかといえばできる」と答えた者の割合は71.9%でした。「できない」「どちらかといえばできない」と答えた者の割合は12.8%となっている。職業別で見ると、「できる」「どちらかといえばできる」と答えた者の割合は、学校の教職員(82.6%)、その他の専門職・自由業(80%)で高くなっています。

人権意識調査結果報告 全文(PDF)

7 意識調査を拝見して

 十分に内容を精査しておりませんが、第一印象は、以前から言われていることなのですが、まだまだ、子どもを怒鳴ったり叩いたりすることについて、しかたがないと思っている方が多いのだなぁということです。調査対象が16歳以上の無作為抽出の2,984人ですが、16歳〜19歳の回答が4%なのは、鳥取県の人口構成を思えば仕方ないのかもしれませんが、個別にはもっといろんな意見がありそうな気がします。子どもが自分のこととして意見を交換するスペースが必要だと感じました。

Top